配偶者ビザに関するQ&A
Q.私は、日本人と結婚し日本で生活していましたが、先月離婚しました。このまま日本で生活できますか?
A.「日本人の配偶者等」の在留資格で在留する外国人が、日本人配偶者と離婚した場合には、配偶者としての身分を失い入管法上の在留資格「日本人の配偶者等」に該当しなくなります。しかし、離婚した外国人が引き続き日本に在留することを希望する場合、下記のケースに該当すれば、在留資格の変更許可を受け日本に在留することができます。
離婚した日本人配偶者との間にこどもがいるケース
こどもの親権者となり、かつ、こどもと同居し、こどもを監護・養育している場合には在留資格「定住者」への変更が認められます。
こどもがいないケース、日本人配偶者がこどもを引き取ったケース
監護・養育するこどもがいない場合でも、一定期間(およそ3年程度)以上婚姻状態を継続していた場合には「定住者」への変更が認められる可能性があります。
一定期間の婚姻状態の継続とは、夫婦として同居し共同生活を営んでいた期間であり、別居をしていた期間は含まれません。
なお、日本人配偶者と離婚した外国人が「永住者」の在留資格を有している場合には、離婚後も引き続き日本に在留することができます。
Q.入管法の改正により「日本人の配偶者等」の在留資格で在留する外国人についても在留資格の取消し制度が創設されたと聞きました。どういうことですか?
A.平成21年の入管法の改正により、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者が、その配偶者の身分を有する者としての活動を正当な理由なしに、継続して6ヶ月以上行わないで在留している場合は、法務大臣は所定の手続により在留資格を取り消すことができるとされました。加えて「家族滞在」「特定活動」「日本人の配偶者等」および「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する中長期滞在者は、その相手方の配偶者が死亡、または相手方の配偶者と離婚したときは14日以内に法務大臣に届け出なければならないとされ、届出を怠った場合には20万円以内の罰金に処せられます。以上の改正は、平成24年7月前後に施行予定です。「日本人の配偶者等」の在留資格で在留する外国人が、日本人配偶者と離婚、死別または長期の別居など配偶者としての活動を行わなくなった場合には、在留期限を待たず、すみやかに他の在留資格への変更手続が必要になると思われます。
Q.フィリピン人女性との結婚を考えています。彼女は、過去に偽名パスポートを使って日本に入国したことがあります。この事実が入管に知れると日本への入国が許可されないのではと心配しています。過去の経緯を隠して在留資格の認定を得ることは可能でしょうか?
A.彼女のように偽名を使い旅券を作り日本に入国した場合、入管法第3条に違反した不法入国にあたり、在留中にその事実が判明すれば退去強制に該当します。帰国後、日本人と結婚し、真正な旅券で在留許可認定申請をしたところ、過去の入国記録が判明し不許可となる例もあります。そのため、過去の経緯を偽ったり、偽名のまま結婚し、運良く在留資格を得て日本に入国できたという話も聞きます。しかしながら、将来、虚偽申請や不法入国が判明するリスクもありうえ、そんな不安をずっと抱え生活するのも精神的に重荷になるでしょう。入管は、虚偽の申請をされることを最も嫌います。在留資格認定申請をするにあたり、たとえお互いに愛し合い、真正な結婚であったとしても、申請書に偽りがあることが発覚すれば不許可となる可能性が高くなります。このような場合は、過去の経緯をすべて正直に告白し、反省し同じ過ちを繰り返さないことを真摯に訴えるべきです。お二人に本当に結婚する意志があれば、偽りのない本当の結婚であることをあらゆる資料を用意し、正々堂々と立証、主張してください。
在留特別許可に関するQ&A
Q.在留特別許可とは何ですか?
A.在留資格を失い、違法に日本に在留する外国人は一般にオーバーステイといわれ、そのままではどれだけ日本に在留しても、不法状態が合法化されることはありません。オーバーステイは、退去強制事由に該当し警察や入管に摘発されれば、所定の手続きを経て日本から強制的に退去させられることになります。在留特別許可とは、この所定の手続きの流れのなかで、法務大臣に求める裁決のことであり、法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるときは、その者の在留を特別に許可することができるとされています。
Q.在留特別許可の判断基準はどのようなものですか?
A.在留特別許可は、法務大臣の裁量により決定されるもので、違反の態様、家族関係、素行、生活状況、さらには国際関係、国内事情などを総合的に勘案して判断されるものです。法務省入国管理局は「在留特別許可におけるガイドライン」を公表して、判断基準を積極要素と消極要素に分けそれぞれ具体的に例示しています。
Q.オーバーステイの外国人と結婚できますか?
A.できます。オーバーステイとは在留期限を超えて日本に在留することで、在留期限を超えると在留資格を失い違法状態となります。しかし、婚姻と在留資格は別の問題ですので、オーバーステイしている外国人であっても、結婚することはできます。オーバーステイ状態の外国人が、結婚して引き続き日本に在留したい場合には、在留特別許可を願い出ることになります。
Q.20年以上オーバーステイしています。こんなに長期間不法残留していた私が在留特別許可を受けることは可能でしょうか?
A.在留特別許可の判断の場面では、必ずしも不法残留期間が長いことが不利になるとは考えられません。オーバーステイの期間が長いということは、それだけ日本での生活基盤が確立されているということです。そういう意味では、入管の判断としては、むしろプラスの要素となりえます。ただ、在留特別許可は、さまざまな要素を総合的に勘案して判断されるので、そのことだけをもって安易に判断することはできません。
Q.私は、オーバーステイの外国人と同棲していましたが、先日、入管の摘発により彼女は収容されてしまいました。どうすればいいですか?
A.あなたが彼女と正式に結婚する意思があるのであれば、急いで結婚の手続きをはじめてください。彼女が、収容されているため結婚手続きも予想以上に時間がかかると思います。お二人の婚姻が成立したら在留特別許可の願い出となりますが、手続きが煩雑ですので専門家に依頼されるか助言を得ることをおすすめします。また、収容されている彼女には頻繁に面会に行き、お互いの意思の疎通を確認するとともに、二人の真剣な姿勢を入管にアピールし理解してもらうことも必要です。
その他Q&A
Q.自分で入管に申請するより、行政書士に依頼する方が許可になる確率は高くなりますか?
A.原則的にはないと思います。入管は、提出された資料を審査して許可・不許可の判断をしますので、同じものを提出するのであれば、誰が提出しようと結果に変わりはありません。しかし、専門家に依頼するメリットは、入管に出頭する時間が節約できるということだけではありません。専門家の目で依頼者の状況を分析し、主張するポイントは何かどんな立証資料を提出するべきか等を明らかにし申請することで、入管の判断が変わってくるということはあります。また、在留特別許可や仮放免申請などの場面では、専門家が介在した方がスムーズに処理がすすむことが多いと思います。
Q.行政書士に依頼したいのですが、毎月の生活で精一杯でまとまったお金を用意できません。何かよい方法はありませんか?
A.当事務所の場合、経済的に余裕のないお客様にも業務を提供しています。所定の手続きをすれば、長期の分割払をしていただくこともできます。支払方法により業務内容、熱意に違いはありませんので、お気軽にお問い合わせください。